5V電源を考える。



PCM1792AのVccを考えます。


デジタル部の電源はともかく、アナログ部の電源はいいものにしたい。

方向性をどうするかですが、
電解コンデンサは音が悪いとか、そういうのは私にはわかりません。
そこで、電気的な特性という観点のみで電源を作成しようと思います。
電解コンデンサあり。NFBもあり。頼れるのは測定器のみ。耳はあてにしません。
聞こえ方がいい音なのかどうかはともかく、データを忠実に再現したものがよいとします。


求められるもの

1.入力電源のノイズを排除する。
2.電源そのもののノイズを減らす。
3.ロードレギュレーションを減らす。
4.応答が高速。


ノイズとレギュレーションあわせて、-90dBくらいいけるといいのですが・・・。
市販のレギュレータの性能はお気楽オーディオキット資料館のほうで実験されてますので、
そちらをご覧ください。備忘録としてリンクをつけておきます。

レギュレータ考察 (お気楽オーディオキット ヒロ様のページ)
レギュレータ考察その2(一部) (お気楽オーディオキット ヒロ様のページ)


回路は、上流の影響を排除するためにシャント型にします。
ICで電流を使用しなくても電流が消費されますが、まあ、仕方ありません。
PCM1792AのVddは40mA程度消費するようですので、
回路素子の誤差を見込んで80mAくらいで設計しようと思います。

使う電源は私の都合で+12Vとします。他の電圧の場合は適当に定数を変更してください。

まず、RCフィルタで高周波成分を落とします。
次に、定電流で80mAを流す回路を作ります。
そして、余分な電流を流して電圧を5Vに保つためのトランジスタと、
それに誤差分を入力するオペアンプをつけます。
基準電圧をオペアンプに入力して完成。



こんな流れですね。
とりあえず作った回路はこんな感じ。



入力電源の電圧を変えるなら、最初のRCフィルタのRを変えればいいと思います。
定電流回路のトランジスタの発熱をおさえるため、だいぶ電圧降下させてます。
トランジスタにもよりますが、2〜3Vもあれば十分でしょう。
抵抗とトランジスタの定格と発熱には注意。
定電流駆動トランジスタにはTO-220のものを使いました。
hfe 50とあるので、バイアスには念のため2mA流しています。


シャント部分のトランジスタには、PNPのものを使いました。
今回のように、オペアンプでベース電圧がほぼ全域移動できる場合には、
PNP型のほうが有利です。回路を見ればわかりますが、NPNにすると
電圧変化に対する応答はオペアンプにまかせっきりになりますが
PNPではオペアンプが応答するまでもなく、電圧の変化をトランジスタが吸収してくれます。
応答がよくなるはずです。


オペアンプにはNJM4580CGを使いました。ノイズが5nV/√Hzとだいぶ小さいです。
オペアンプのノイズが大きいとだめですよね。
でも値段が高いのも困るので、この程度になりました。
また、低電圧領域でもちゃんと動いてくれるものでなければ、
電源を負荷側からとっている関係上、困ります。
レールツーレールではありませんが、内部回路を見て使えそうだと判断しました。
オペアンプの出力のプルアップは、「念のため」です。

オペアンプの入力のノイズも小さいほうがいいですね。
今回はノイズの少ない、赤、黄緑系のLEDを使います。
電圧安定度ならシャントレギュレータでしょうが、ノイズが多いと聞きますので、LED。
もちろん定電流駆動です。


あとは回路を作って、特性を調べてみましょう。


続く。
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